🐾 第2話「食卓に並ぶ、謎の調味料たち」
吾輩は猫である。名はキキ猫。
今日も食卓の下で、主(あるじ)の“儀式”を観察しておるにゃ。
ごはんが運ばれてきたと思えば、すぐに始まるのが――
調味料の舞踏会にゃ。
「よし、まずはしょうゆっと」
「いや、やっぱりポン酢にしようかな……」
「んー、ちょっとだけマヨ足すか」
主の手元から次々と現れる、小瓶・チューブ・粉末袋。
それらは吾輩にとって、“謎の液体兵器”にしか見えぬ。
見た目は似ておるのに、ひとつ違えば匂いも味も別物らしいにゃ。
とくにわさびという存在――
あれは危険すぎるにゃ!
鼻先にちょっと近づいただけで、「クシュッ!」とくしゃみが出るにゃ。
ヒトはあれを食べてなぜ平気なのか?
味覚が壊れておるのではなかろうか。心配になるにゃ。
それでも主は「これは風味がいい」とか「この辛みがたまらん」とか言いながら、
いろんな調味料をひと皿に混ぜ合わせる。
まるで料理を“再構築”しておるようにゃ。
――もはや、料理の原型がどこにあるのか分からんにゃ。
吾輩のごはんには、そういった“追加要素”がないにゃ。
カリカリはカリカリ。
たまにちゅ〜るが乗っておれば、それはそれでテンションが上がるが、
「ちゅ〜る+粉かつお+煮干しエキス」などという複雑な“カスタム”は存在せぬ。
主は言うにゃ。「ちょっと飽きたら、味変するのが楽しいんだよ〜」と。
ほほう、**味変(あじへん)**とな。
それはつまり、“日常に刺激を加える”ということかにゃ。
猫の世界で言うなら、寝床に違うタオルを敷いてみるようなものか。
ふむ……吾輩も、カリカリに「猫用ささみふりかけ」などをトッピングされた日には、
心躍るものがあるにゃ。
つまり、味変とはごはんをエンタメに昇華する魔法なのかもしれぬ。
それにしても、ヒトというものは実に器用で欲張りにゃ。
1つの料理を食べるだけでは満足せず、
ソース・ドレッシング・スパイス・香味油と、
あれこれ足しながら自分好みの味に変えてゆく。
それがまた「美味しい!」と笑っておるから、不思議な生き物だにゃ。
吾輩はまだ、“ごはんをカスタマイズする楽しさ”というものを知らぬ。
けれど、主のにこにこした顔を見るたびに、
ちょっとだけ気になるのだにゃ。
もしかして吾輩も、
今日は「かつお風味」、明日は「ささみ風味」なんて選べたら――
食事がもっと、楽しい時間になるのかもしれぬにゃ。
🐾 まとめ:ごはんは味だけじゃなく、遊び心にゃ
- ヒトは調味料で味を変えながら、自分好みに“料理を再構築”するにゃ。
- 吾輩のごはんには、まだ“味変”という文化がないにゃ。
- でも、ちょっぴりの“ふりかけ”で、世界が変わる気がするにゃ。